薬指の標本
原題:L'annulaire 2005年 フランス 100分
監督:ディアーヌ・ベルトラン 原作:小川洋子
出演:オルガ・キュリレンコ、マルク・バルベ、スタイプ・エルツェッグ、エディット・スコブ、ハンス・ジシュラー、アンヌ・ブノワ
ストーリー・概要(映画.comより)
「博士の愛した数式」などの作品で知られる芥川賞作家・小川洋子による同名小説を、フランスの女流監督ディアーヌ・ベルトランが映画化。勤め先の工場で、作業中に薬指の先を切断してしまった21歳のイリス。事故をきっかけに仕事を辞めて港町へ引っ越した彼女は、森の中に佇む不思議な雰囲気の建物で標本技術士の助手として働くことになるが……。ヒロインを演じるのは、ウクライナ出身のトップモデル、オルガ・キュリレンコ。
フランス映画で堪能する小川洋子の世界観
小川洋子さんの小説が大好きで、一時期片っ端から買って読んでました。
読んでいるといつも、日本ではなくヨーロッパの風景が連想されるので、「洋画」として映画化されてよかったです。
標本技術士のいる建物とか、あまりにも自分のイメージ通りで、それが嬉しいのなんのって。
どこを取っても「そうそう、こういうかんじ〜」と言いたくなるぐらい。
小説ではあまり出てこないはずなのに、主人公が暮らす部屋までイメージ通りでございましたー。
夜型の男性と、昼夜で部屋をシェアする生活もどこか素敵でした。まあお相手の男性がイケメンだったから良かったのであって、これがブ男だったら「素敵」が成り立ってなかったと思います(←ひどい言いようである)。
まず何よりも、主人公の女性役にオルガ・キュリレンコをキャスティングしてることがグッドです!
彼女はいつ見ても可愛いな〜と思うのですが、この映画では妙なエロティシズムを感じました。素っ裸のシーンがあるからってのは勿論なんですが。
うだるような暑さの中、白い首筋にじっとりと汗をかいてるところにドキッとしました。
白衣姿の標本技術士(マルク・バルベ)もなかなか原作のイメージに沿っていたと思います。
ただ、後ろからじっと主人公を見つめるシーンが多くて若干気持ち悪かったです。
小説ではそうは感じなかったのですがねー。
映像化することにより、技術士の変態ぶりが浮き彫りになったようでした。