Smokeblue Theater

映画の備忘録

あなたになら言える秘密のこと

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原題:La Vida Secreta De Las Palabras 2005年 スペイン 114分

監督・脚本:イザベル・コイシェ 

出演:サラ・ポーリーティム・ロビンスジュリー・クリスティレオノール・ワトリング、エディ・マーサン

 

ストーリー・概要(映画.comより)

「死ぬまでにしたい10のこと」のイザベル・コイシェ監督が再び主演にサラ・ポーリーを迎え、1人の女性の苦悩と再生を描いた人間ドラマ。海の上に浮かぶ油田掘削所を舞台に、過去の辛い思い出により口を閉ざしているハンナと事故で負傷したジョセフとの交流と、それぞれの哀しい過去が語られる。共演にティム・ロビンスジュリー・クリスティレオノール・ワトリング05ゴヤ賞の作品賞・監督賞を受賞。

 

「秘密」の交換

サラ・ポーリーが好きです。役者としても、監督としても好きだし、やっぱキレイ。

ビッカビカに輝いているというわけではなく、少しぼんやりした表情が美しいと思います。

イザベル・コイシェ監督とサラ・ポーリーのタッグと聞き『死ぬまでにしたい10のこと』の続編なのかな〜と思ってましたが、全然違うお話でした。

タイトル通り、サラはある「秘密」を抱えた女性ハンナを演じています。

冒頭、工場の仕事に取りかかるシーンで、ハンナだけ防音用の耳あてをスルーすることから、彼女は耳が不自由であることがわかります。

毎日同じメニューの食事をし、同僚とも打ち解けず、ただ淡々と家と職場の往復を繰り返すハンナは、上司から半ば強引に休暇を取るように言われ旅に出ます。

その道中、偶然出会った人との縁で、油田掘削所で看護師として働くことに。

…って全然休暇になってませんけど!休む気ないんかい!

 

そこでティム・ロビンス演じる怪我人ジョセフの世話をすることになるのですが、目が見えず色々質問してくるジョセフに、のっけから人嫌いっぷりを発揮するハンナ。

余計な質問は無視、あまりにウザいと補聴器のスイッチをオフ。

そこまでツンケンしなくても…と思うのですが、後に彼女の身に起こったことを聞けばすべて納得なのです。

 

ジョセフが自分の秘密を話したことから、ハンナはしだいに彼に心を開いていきます。

そして彼女もついに「秘密」を語り出します。

相手の秘密を知ったお返しに…ということではなく、ハンナ自身、それを吐き出してしまいたいという気持ちがどこかにあったのかもしれないですね。

映像による回想シーンではなく、すべて彼女自身の言葉で静かに語られる「秘密」。

語りだけなのに、心を突き刺すような説得力でした。

 

暗いし重たいんだけど、心が浄化されるような魅力を持った作品です。

海の上の油田掘削所という非日常的なシチュエーションも効いてます。