Smokeblue Theater

映画の備忘録

ジンジャーの朝 さよなら、わたしが愛した世界

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原題:Ginger & Rosa 2012年 イギリス・デンマーク・カナダ・クロアチア 90分

監督・脚本:サリー・ポッター

出演:エル・ファニング、アリス・イングラート、クリスティーナ・ヘンドリックス、アネット・ベニング、アレッサンドロ・ニボラ、ティモシー・スポール、オリバー・プラット、ジョディ・メイ

ストーリー・概要(映画.comより)

「オルランド」「タンゴ・レッスン」「耳に残るは君の歌声」のサリー・ポッター監督が、冷戦時代に突入した1960年代の英ロンドンを舞台に、社会の変革を通じて成長していく思春期の少女の姿を描いた人間ドラマ。

同じ病院の隣り合うベッドで生まれたジンジャーとローザは、幼なじみの親友として多くの時間を共有して育った。10代になった2人は、学校の授業をさぼっては宗教や政治、ファッションについて熱く語り合い、世間で核の脅威に対する反対運動が盛んになれば、2人の関心も反核運動へと向いていく。しかし、ローザがジンジャーの父親で思想家のローランドに恋心を抱いたことをきっかけに、2人の友情に溝が広がっていく。ジンジャー役で「SOMEWHERE」「SUPER 8 スーパーエイト」のエル・ファニングが主演。

 

崩れ行くジンジャーの世界 

ふだん、邦題にイチャモンをつけることが多いですが、この作品に関しては原題より邦題の方が好き。

原題からいくと、親友同士の2人を同じ程度に取り扱ってるんでしょうか。しかし全編通して観るとやはりこれはジンジャー側の物語だと感じます(邦題のせい?)。「朝」というのも、思いもよらぬ困難を経験したジンジャーが、それでも生きていくことを決意表明する心情にピッタリくる単語だと思いますし、最後のシーンにもつながっています。

ナイス邦題!!

 

さてエル・ファニング演じるジンジャーですが、冷戦下ではありますが親友のローザとそれなりに楽しく過ごしていました。

あのバカ親父が馬鹿をやらかすまでは。

ジンジャーも憧れているように、周りに流されず自由に生きているこの父親は、一見とても魅力的に映ります。反面、そんなんでいいのかな〜と心配してしまうような危うさを持っていて、そんな絶妙なキャラクター性とか上手いなと思ってしまうんですが(親父を褒めてどうする)。

そんな父親が親友と関係を持ってしまうというまさかの事態に(しかも妊娠)。

これは… 我が身に置き換えて考えたくもないですが、相当ショックですよね。

「へえ〜、自由人はそんなとこまで自由なんだね!とんだリベラリストだよコノヤロー!!」

とか冷たい言葉を浴びせてやりたくなるわい、本当にも〜〜!

家族の崩壊・親友の裏切り・くわえてキューバ危機…と、ジンジャーの許容量はもういっぱいいっぱいですが、映画的にはここへきて改めてエル・ファニングの繊細な演技に驚かされます。

 

冷戦下の暗い雰囲気や寂しい風景もとても良いですね。

ジンジャーやローザの、もっさりしたセーター姿には時代を感じます。

 

 

 

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