おじいさんと草原の小学校
原題:The First Grader 2010年 イギリス 103分
監督:ジャスティン・チャドウィック 脚本:アン・ピーコック
出演:ナオミ・ハリス、オリバー・リトンド、トニー・キゴロギ、アルフレッド・ムニュア、ショキ・モガバ、ビュシ・クネネ
ストーリー・概要(映画.comより)
イギリスの植民地支配から独立して39年がたった2003年、ケニア政府は無償教育制度を導入。何百人もの子どもたちで溢れる小学校に、84歳の老人マルゲが訪れる。いままで教育を受けたことがなかったマルゲは、何度門前払いを受けてもあきらめず、その情熱に動かされた若い教師ジェーンは、子どもたちと一緒にマルゲに勉強を教える。マルゲは学ぶことの楽しさを体験し、独立戦争の兵士として戦った若かりし日の悪夢がよみがえっても勉強を続けるが……。「ブーリン家の姉妹」のジャスティン・チャドウィック監督が、実話をもとに手がけたヒューマンドラマ。
勉強に終わりはない
舞台はケニア。長年イギリスの植民地だったこの国の政府が、ようやく無償教育制度を導入。
このお知らせを聞いた子ども達が、草原にぽつんと建った小さな小学校に一斉にやってきます。
ワーワー、キャーキャー、走ってやってきます。
そんな元気なシーンからスタート。
その中に一人、杖をついた背の高い老人マルゲの姿。御年84歳(には見えない!)。
入学を希望するマルゲを、学校側は「大人だからダメ〜」と門前払いに。
マルゲも「誰でも教育を受けられるって、言ったじゃねえか」と食い下がります。
何度断られてもめげずに学校へやって来る熱心さに心を打たれた教師のジェーンは、ついに入学を許可。
マルゲは子ども達に混じって、abcの書き方から学びはじめます。
古着の制服を着て通学するマルゲを同年代の大人達は笑い、学校なんかやめて一緒に飲もうぜと誘いますが、マルゲは一切相手にしません。
家に帰ってからも復習に励みます。アルファベットをひとつ書いてはとても嬉しそうにするマルゲ。
彼がこんなに熱心に勉強するのには理由がありました。
それは、イギリス政府から届いたある手紙を自分自身で読むため。
若い頃ケニアの独立運動に参加していたマルゲは、過去に壮絶な体験をしていました。
捕まり、拷問を受け、妻と2人の娘を目の前で殺されたのです。
そんなトラウマ体験が、老人となった今でも時折フラッシュバックし、マルゲを悩ませていました。
さて、マルゲがどうしても読みたい手紙とは一体どんな内容なのか…?
草原の小学校は、どうなるのか…?
タイトルから、ほっこり系の映画かなと思いますが予想に反して重みがあり、そして予想に反して良い映画でした。
苦しい過去を乗り越え、ただ一心に学ぼうとするマルゲの姿に感動します。