キッチン・ストーリー
原題:Salmer fra kjokkenet 2002年 ノルウェー・スウェーデン 95分
監督:ベント・ハーメル 脚本:ベント・ハーメル、ヨルゲン・ベリマリク
出演:ヨアキム・カルメイヤー、トーマス・ノールシュトローム、ビョルン・フロベリー、リーネ・ブリュノルフソン、スブレエ・アンケル・オウズダル
ストーリー・概要(映画.comより)
50年代にスウェーデンで実際に行われたという“独身男性の台所での行動パターン調査”をヒントに、調査員と調査対象者となった2人の中年男性の交流をユーモラスに綴ったコメディ。監督は、「卵の番人」のベント・ハーメル。
ノルウェーの田舎で一人暮らしをしている、年老いたイザックの元へ、フォルケという男がやって来た。主婦の台所仕事が世界的に重要視され始めた1950年代初頭。キッチン棚の大きさや調理台の高さなど、台所の国際的な規格が出来上がっていた。そこでは製品開発など多くの面で「行動心理学」が大きな役割を果たしており、1944年にスウェーデンで発足した「家庭研究所」では、「ノルウェーとフィンランドにおける独身男性の台所での行動パターン」についての調査が開始されようとしていた。フォルケはその「家庭研究所」の調査員であり、トレーラーで国境を越えてスウェーデンからノルウェーにやってきたのだった。
おじさんによる、おじさんの観察
「独身男性の台所での行動パターン調査」とやらがすごい。
部屋の隅っこにプールの監視台みたいなのを設置して、その上から被験者の行動(動線とか)を手書きで記録していくんです。
とってもアナログ〜!
被験者のイザックは「馬がもらえる」という理由で調査に応募するんですけど、
たとえ馬がもらえたとしても、自分だったら絶対無理。
知らない人に行動を観察されるなんて、恥ずかしすぎる〜!
そもそも、観察されても動きませんけどねコタツの中から。
ず〜〜〜〜っと見てますけどねテレビを!
そしてそもそも、馬をもらっても飼えないし。お金だったら…うーん、どうしましょ。
現代だったらこんな調査ありえないだろうなあ。
期間中、調査員は被験者の家の外のトレーラーハウスで寝泊まりし、被験者とはお互い会話してはいけない等のルールがあるんですが、
調査が進むうちに、なんとな〜く会話するようになる2人。
そりゃ、人間同士ですもんね。ロボットを置いているわけじゃないんだから、自分のテリトリーにいる人間を無視できないのはよく理解できます。
人間って自然とコミュニケーションをとろうとする生き物なんだなと思いました。
地味めの映画ですが、おじさんがおじさんを観察するという妙にシュールな絵は面白かったです。