Smokeblue Theater

映画の備忘録

コンプライアンス 服従の心理

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原題:Compliance 2012年 アメリカ 90分

監督・脚本:クレイグ・ゾベル

出演:アン・ダウド、ドリーマ・ウォーカー、パット・ヒーリー、ビル・キャンプ

ストーリー・概要(映画.comより)

2004年、米ケンタッキー州のファーストフード店に警察官を名乗る男から電話があり、従業員だった少女が窃盗の濡れ衣を着せられ、身体検査と称して性的行為を強要された事件を映画化し、権威へ服従してしまう人間の心理を描き出したサスペンス。

アメリカのあるファーストフード店で店長を務めるサンドラのもとに、警察官と名乗る男から電話が入る。男は女性店員のベッキーに窃盗の疑いがあると言い、サンドラに対してベッキーの身体検査を命じる。警察官の言うことならばと指示に従ったサンドラだったが……。監督は本作が長編2作目の新鋭クレイグ・ゾベル。

 

自分が当事者になっても「そんなわけないじゃん」と言えますか?

まるで嘘みたいなお話ですが、なんとこれは本当にあった事件(それも何件も!)。

窃盗していないか調べるため従業員の服を脱がせるなんて、冷静に考えれば有り得ないことなんですけどね〜。

でも警察を名乗る者から電話がかかってきたら、ちょっと冷静ではいられないと思います。

おまけに頭のどこかで「何かおかしい」と感じたとしても、それを主張することこそ難しいと思うのです。

まして自分が正社員で、ちょっとした問題も起こせないサンドラのような立場だったら?

そのような状況で、自分の考えをストレートに伝えられるでしょうか?

NOと言えない日本人であれば、なおのこと難しいと思う〜。

最初は「何でそうなる!?」「何で誰かに相談しないんだっ!?」「そんなこと信じるなってーの!」と好き勝手に文句を言っていたのですが(心の中でね)、もしこういう事に巻き込まれたら…と考えるとだんだん笑えなくなってきました…。

 

通報を受けた本物の警官が車で現場に向かうシーンをワンカットで見せていますが、警察と店の距離があまりに近いので、余計にいたたまれなさを感じました。

これは良い演出だったと思います。