ぼくを探しに
原題:Attila Marcel 2013年 フランス 106分
監督・脚本:シルヴァン・ショメ
出演:ギョーム・グイ、アンヌ・ル・ニ、ベルナデット・ラフォン、エレーヌ・バンサン、ルイス・レゴ、ファニー・トゥーロン、キー・カイング、ジャン=クロード・ドレフュス、ヴィンセント・デナード、シリル・クトン
ストーリー・概要(映画.comより)
アカデミー長編アニメーション賞を受賞した「ベルヴィル・ランデブー」や、ジャック・タチの遺稿をもとに映画化した「イリュージョニスト」などで知られるフランスのアニメーション作家シルバン・ショメが、初めて手がけた実写長編作。「ベルヴィル・ランデブー」のサントラで使われた楽曲「アッティラ・マルセル」に着想を得て、仏文豪マルセル・プルーストの小説「失われた時を求めて」のエッセンスも織り交ぜながら、孤独な主人公が不思議な女性との出会いから失われた過去の記憶が呼び覚まされ、少しずつ変化していく人生を描いたファンタジックな物語。幼い頃に両親を亡くし、そのショックで言葉を話すことができなくなったポールは、伯母のもとで世界一のピアニストになるよう育てられる。友だちもいない孤独な人生を歩み、大人になったポールは、ある日、同じアパルトマンに住む謎めいた女性マダム・プルーストと出会う。彼女のいれたハーブティーを飲むと、固く閉ざされた心の奥底の記憶が呼び覚まされていき、ポールの人生に変化が訪れる。
ハーブティーで記憶の旅へ
『ベルヴィル・ランデブー』も『イリュージョニスト』も大好きなので、シルヴァン・ショメ監督、次はどんなアニメーションを作るんだろう?ワクワク…と思っていたら実写映画できましたか!
いつもキャラクター造形が見事(特に『ベルヴィル〜』の方は、これでもかとデフォルメされたフォルムが面白かった)ですが、実写映画になってもそれは変わらず。どの登場人物もキャラクターがクッキリ・ハッキリしています。
中でも、2人の伯母さんが良い〜。
いつも一緒・全く同じ服装・髪型(でも双子ではない)ってところが、実写映画なのに逆に現実感がなくてアニメっぽい。
主人公は幼い頃に両親を亡くしたショックで言葉が話せないという設定ですが、身振り・手振りや表情に注目しながら観るというある種サイレント映画のような面白さがあります。これまでの2作品の主人公も話さなかったので、そのおかげで実写映画であってもショメ監督っぽさが出ている気がしました。
主人公はひょんなことから同じアパートに住むマダム・プルーストと知り合います。
このマダム、ハーブティーを使って客の記憶を呼び起こすという怪しげな商売を自宅でやってるんですが…
まずその部屋がすご〜い!部屋の中で野菜やらハーブやらをわんさか育ててますから。
部屋に畑があるんですよ!しかもそこに普通に水を撒いとるし!
アパートの床が抜けたら、それ絶対あんたのせい!!
お客はマダム特製ハーブティーを一口飲み、マドレーヌをかじるとフッと意識を失い、過去の記憶にトリップできるのです…
何それ、怪しすぎ。
しかも意識を失うのは主人公だけかと思っていたら、他の人も全く同じように意識失ってました。
ハーブティーの中身が真剣に怖いです。
それはまあ置いとくとして、全体的にはファンタジックで可愛らしい映画です。
調度品や衣装もおしゃれで『アメリ』の世界観に通ずるものがある気がします。