Smokeblue Theater

映画の備忘録

ワン・デイ・イン・ヨーロッパ

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原題:One Day in Europe 2005年 ドイツ・スペイン 95分
監督・脚本:ハネス・シュテーア
出演:ミーガン・ゲイ、ルドミラ・ツベートコバ、フロリアン・ルーカス、エルダル・イルディズ、ペーター・シェラー、
ミゲル・デ・リラ、ラシダ・ブラクニ、ボリス・アルクワイヤ

ストーリー・概要(映画.comより)

世界中のサッカーファンが熱狂するヨーロッパのチャンピオンズ・リーグ決勝戦の日に起こった4つのエピソードからなるオムニバス・ドラマ。試合が行われるロシアのモスクワ、チームの地元であるトルコのイスタンブールとスペインのサンティアゴ・デ・コンポステラ、さらにドイツのベルリンを訪れた4組の外国人旅行者が様々なトラブルに巻き込まれる姿を、文化の違いやサッカーへの情熱を交えながらユーモアたっぷりに描き出す。

 

警察が当てにならない日

”出演者一人残らず誰も知らない”というマイナー映画が、けっこう好きだったりします。
知ってる人が一人もいないってことが、まるで異国に旅した気分にさせてくれるからなのか。

『ワン・デイ・イン・ヨーロッパ』もそんな作品。
サッカー決勝戦の日、旅行者が荷物を盗まれるといういずれも同じシチュエーションのドラマを、
国と人を変え描いたオムニバスです。
最後のエピソードを覗き、ほぼ全部
①荷物が盗まれる ②警察に届ける ③警察で盗難の手続きを踏む
という同じ流れ。
もちろん登場人物や手段などはそれぞれ違いますが、同じ話なだけに途中でちょっと飽きてしまうかも?
でも、言葉が通じなくて噛み合わない会話劇はどれも愉快です。

どの国でも警察はサッカー観戦に熱中し、盗難届の手続きはスムーズに行きません。
「ちょっとここで待っとれよ」とか言いつつ、奥の部屋でサッカー中継を観てるんですよ!
ワールドカップの間とか、実際こんな感じなのかしら?

まあ旅行者の皆さんはさんざんな目に遭っているのですが、一番可哀想だなと思ったのは3番目のエピソードに出てきたスペイン巡礼者のオジさん。
ようやく辿り着いた巡礼の終着点・サンティアゴ・デ・コンポステーラにて、自分を入れた記念写真を通りすがりの人にお願いするオジさん。
カメラを手渡して、「これこれ。この建物もちゃんと入れてね」とかなんとかやってる内に
案の定カメラが持ち逃げされてしまう!!
なぜ現地人に渡すんだオジさんよ…
急いで警察官に事情を話すも、あちこち連れ回された後「戻ってこんから、あきらめろ」的なことを言われてしまいます。酷い!
立派なカメラそのものを盗られたことより、今まで撮りためた旅の記録を失ってしまったことに絶望するオジさん。
先日観た『星の旅人たち』という映画のおかげで、巡礼の大変さを知った(映画観ただけだっての)私には、オジさんの気持ちが痛い程分かった!
オジさんの分までギリギリと悔しさを噛みしめました。

しかしサッカーって、どこの国でもホント人気なのですね。