Smokeblue Theater

映画の備忘録

奇人たちの晩餐会

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原題:Le Diner de Cons 1998年 フランス 80分
監督・脚本:フランシス・ヴェベール 
出演:ジャック・ビルレ、ティエリー・レルミット、フランシス・ユステール、ダニエル・プレヴォスト、ペトロニル・モス

ストーリー・概要(映画.comより)

バカな人間を招待しては仲間同士で笑いモノにする晩餐会を主催するブロシャンと、そこへ招待された税務局勤めのピニョンとのやり取りを小気味よく描くコメディ。監督は「メルシィ!人生」のフランシス・ヴェベール。ゴダール作品にも出演する喜劇俳優ジャック・ヴィルレ主演。
編集者のピエールは、毎週水曜日、友人にそれぞれ一人づつ身近の奇人を連れてこさせ晩餐会を開いていた。そして今夜ピエールが選んだのは、税務署に勤めるお喋り男ピニョン。そんな主催者の悪意も知らず大喜びで晩餐会へ赴くピニョン。しかし、この日に限ってピエールはゴルフで腰を痛め、おまけに妻は愛想を尽かして家を出てしまった。晩餐会は中止になったものの、奇妙な夜は刻々と更けていくのだった…。

 

奇人を笑う者、奇人に泣く

友人同士で、とっておきの奇人(映画内では常に”バカ”と呼称。それも酷いわい)を連れて来て晩餐会を催すという王様みたいな遊びがマイブームな主人公ピエール。
この時点でちょっと腹立ちます。なんて傲慢なやつ!

よりインパクトのある奇人を探していたところ、偶然出会ったのがピニョン氏。
見た目の可笑しさもさることながら、マッチ棒で模型を作るのが趣味という、ザ・パーフェクト・奇人。
しかし正直、私にしたら「そこまで変か?」という感じ。
確かにビジュアルは…まあ面白いですが、ちゃんと真面目に働いとる普通のオジさんじゃねえかと。
趣味で模型作ってたっていいじゃないと。今の時代、もっと変な人いるじゃあないかと。…どうでしょう?
オタク気質な人も受け入れられるようになった今だから、違和感を感じるのかしらん。

とにかくピエールにはピニョンがハマったらしく、すぐさま晩餐会にご招待。
な~んの疑問も抱かず、喜んで招待を受けるピニョン。…行ったらいけないよ、そんなクズ男のとこにさ!
晩餐会の前にまずピエールの自宅を訪れたピニョンは、そこで天然ともいえるバカっぷりを発揮し、結果ピエールはめちゃめちゃに振り回されるハメに…というお話。
途中からはずっとピエール自宅内の密室劇で、2人のやり取りが最大の見どころです。
全く空気を読めず、やることやること裏目に出てしまうピニョンは、確かに見ていてイライラするのですが、
どっちかっていうと冒頭からピエールの傲慢さにムカついていたので、痛快でした。
人を笑った報いさ!

奇人たちの晩餐会』というタイトルながら、結局晩餐会のシーンは一回も登場しないというのがミソ。
面白さを80分という短い時間にキュッと凝縮した作品です。