Smokeblue Theater

映画の備忘録

私が、生きる肌

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原題:La piel que habito 2011年 スペイン 120分
監督・脚本:ペドロ・アルモドバル
出演:アントニオ・バンデラスエレナ・アナヤ、マリサ・パレデス、ジャン・コルネット、ロベルト・アラモ、ブランカスアレス、スシ・サンチェス

ストーリー(映画.comより)

ペドロ・アルモドバル監督とアントニオ・バンデラスが「アタメ」(1989)以来22年ぶりにタッグを組み、最愛の妻を亡くし禁断の実験に没頭する形成外科 医と、数奇な運命をたどるヒロインの姿を描く問題作。画期的な人工皮膚の開発に執念を燃やす形成外科医ロベルは、かつて非業の死を遂げた最愛の妻を救える はずだった「完璧な肌」を創造することを夢見ていた。良心の呵責や倫理観も失ったロベルは、ひとりの女性を監禁して実験台にし、人工皮膚を移植して妻そっ くりの美女を作り上げていく。

 

ベスト・オブ・変態

予告編などを見る限りでは、
「他人の女性を自分の亡き妻ソックリに全身整形させちゃった変態ドクターの話」かと思っていました。
観てビックリ。いや”変態”って部分は間違ってなかったけど、ここまで変態かっ!という感じです。
ストーリーは最後まで淡々と進んでいくのですが、振り返って考えてみると背筋がゾクリとするほどの変態っぷり。
思い返せば返すほど、「やっぱとんでもない変態だった!」という気持ちは増すばかりなのです。

話が「変態」からちっとも先へ進んでいませんが…

形成外科医ロベルを演じるのはアントニオ・バンデラス
台詞は少なめで、静かな役。何を考えてるのかよくわからず不気味でしたー。
ヒロインの美女エレナ・アナヤは綺麗でした。
ほとんどあのらくだ色の全身スーツ姿(しかし衣装はジャン=ポール・ゴルチエなのだ!)でしたが、そんなコントみたいな格好の時ですら美しい!
顔は若干幼くて可愛いかんじですよね。
しかしそんなに可愛いのに、トラ男にレイプされたりマッドドクターに監禁されたり、変態演出によく耐えていましたよ~。

トラ男が美女に襲いかかるシーンは、色的に『KIKA』をほうふつ(衣装もゴルチエだし)。
そういえば『KIKA』を観た時も「変態だな~」っていう感想を抱いたっけな。
やはりアルモドバル監督作品はどれも多少なりと変態のエッセンスを含んでいるようです。
学生時代に観て、何一つ理解できずぽか~~んとしてしまった『KIKA』。
もう一回観てみようかな。変態の耐性ができた今ならば理解できそうな気がする~。