Smokeblue Theater

映画の備忘録

マレーナ

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原題:Malena 2000年 イタリア・アメリカ 92分
監督・脚本:ジュゼッペ・トルナーレ
出演:モニカ・ベルッチ、ジュゼッペ・スルファーロ、ルチアーノ・フェデリコ

ストーリー・概要(映画.comより)

1940 年、第二次大戦下のイタリア。12歳の少年レナートは、村で一番美しい女マレーナに一目惚れする。結婚したばかりの夫を徴兵された彼女は、海岸沿いの家に 1人で住んでいた。戦地にいる夫を想い、目の見えぬ父親の世話をする彼女を影のように追うレナート。やがて、敗戦とともにマレーナの夫の戦死が伝えられ、 彼女にとっての悲劇が幕を開ける。長ズボンをはくようになったレナートは、そのすべてを胸張り裂ける想いで見つめ続けていた。

 

忘れられない女(ひと)

モニカ・ベルッチが一番輝いていた時ではないでしょうか。
もちろん今でもお美しいのですが、この映画での彼女は別格。
こんなにきれいな人いるんだな~と、思わずため息が漏れてしまうのです。

第二次世界大戦時代が舞台だということで、重苦しいテイストなのかと思いきや、
レナート少年の"妄想エピソード"が随所に盛り込まれているため、クスリと笑える部分もけっこうありました。
ストーリーは一貫してレナート少年目線で進んでいきます。
少年は常に傍観者というスタンスであり、時代とともに変化していくのはマレーナの方。
まあレナート自身も変化していますが、一応。
半ズボンから長ズボンになったり(笑)、父親に売春宿に連れて行ってもらったり。
どうでもいい変化をしてますよ(←レナートに失礼)。
この辺りは、お笑い的なエピソードとして息抜きになりました。

マレーナに話しかけるでもなく、ただただ見守り続けるレナート。
最初の方は見守るっていうか覗き見でしたけど。完全に。
軽くストーカーでしたけど!
捕まるぞ!?

最後にやっとほんの少しだけ二人は言葉を交わしますが、それはレナートがマレーナを見守る役目を終えたことを意味している気がしました。
夫とも再会でき、徐々に前を向き始めたマレーナを見て、「彼女はもう大丈夫だ」とそう思ったのかもしれません。
結局レナートのマレーナに対する想いというのは、単なる「きれいなお姉さんへの片思い」だけではなかったと思います。
そこには「この女を守ってやりたい」という男気や、ともすると母心のようなものまで感じるのです。
とにかくレナートにとって、マレーナは今後もずっと心の片隅から消えることのない、生涯で忘れることのできない女性になったことは確か。
…と、想像してみたけどどうだろうな~。
案外年頃になって彼女ができたりすると、簡単に忘れちゃうもんなんですかね?