Smokeblue Theater

映画の備忘録

カポーティ

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原題: Capote 2005年 アメリカ 114分
監督:ベネット・ミラー 脚本:ダン・ファターマン
出演:フィリップ・シーモア・ホフマンキャサリン・キーナー、クリフトン・コリンズ・Jr.、ブルース・グリーンウッド
クリス・クーパーボブ・バラバン、マーク・ペルグリノ、マーシャル・ベル、エイミー・ライアン、ベス・メイヤー

ストーリー・概要(映画.comより)

05 年度アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演女優賞、助演女優賞、脚色賞の5部門にノミネートされ、カポーティ本人に生き写しの演技を披露したフィリップ・ シーモア・ホフマンが主演男優賞を受賞したドラマ。1959年11月15日、カンザス州ホルカムで農家の一家が惨殺される事件が発生。「ティファニーで朝食を」で名声を高めた作家トルーマン・カポーティは、この事件に興味を覚え、小説「冷血」の執筆を決意し、現地へ飛び、事件の容疑者ペリーと面会する。

 

冷血なのは誰だ?

トルーマン・カポーティの小説は読んだことがないし、どういう人物かも全く知らなかったのですが…
一目で「こういう人物だよ!」と納得させる、演技力はやはり凄い。
フィリップ・シーモア・ホフマンって、見た目が特徴的な割に違和感なく色んな役どころを演じてますよね。
例えば体型を絞るとか、外見的な役作りはあまりしていないのにも関わらず(いつ見ても丸っこい…)。
今回に関しては、もともとフィリップがカポーティに似ていたそうで、やはり外見にあまり変化はないですが、声を徹底的に本人に似せてるみたいですね。
全然声違う!
フィリップ・シーモア・ホフマンはやっぱ凄い俳優だったのだなと、改めて思ったのでした。

一家の惨殺事件に興味を持ったカポーティは、犯人のスミス(クリフトン・コリンズ・Jr.)を取材するため、幾度も面会に訪れます。
やがてスミスは、親身に話を聞いてくれるカポーティに心を許していくのですが、その取材をもとにカポーティが書いたのは『冷血』というタイトルの小説。
冷血… もちろん、惨殺事件の犯人スミスについて書かれた本です。
(読んでないけど…。読んどきゃよかった!)
いつしか二人の間に生まれた友情のようなものを壊してまで、カポーティは小説を書き上げたんですねー。
彼の飽くなき好奇心や探究心が『冷血』という名作を生んだのでしょうが、その純粋さは少し恐ろしい気もします。
ただ、小説を書くにあたってカポーティ自身も激しく苦悩しているのは確か。
その辺りのものっすごい微妙な表情などはこれまた素晴らしく、後半は特に見応えがありました。
とりあえず『冷血』を今すぐ読まねば!と思いましたよー。