Smokeblue Theater

映画の備忘録

メランコリア

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原題: Melancholia 2011年 デンマークスウェーデン、フランス、ドイツ、イタリア 135分
監督・脚本:ラース・フォン・トリアー
出演:キルスティン・ダンストシャルロット・ゲンズブールアレクサンダー・スカルスガルド、ブラディ・コーベット、
シャーロット・ランプリングイェスパー・クリステンセンジョン・ハートステラン・スカルスガルドウド・キア
キーファー・サザーランド

ストーリー・概要(映画.comより)

「ダ ンサー・イン・ザ・ダーク」「アンチクライスト」の鬼才ラース・フォン・トリアーが、巨大惑星の接近で終末を迎えつつある地球を舞台に、人々の孤独と絶 望、魂の救済をワーグナー作曲の「トリスタンとイゾルデ」の壮大なメロディにのせて描き出していくドラマ。姉夫婦の豪華な邸宅で盛大な結婚パーティを開く ジャスティンは、皆から祝福され幸福感に満たされる一方、どこかでむなしさも感じていた。そんなとき、巨大な惑星「メランコリア」が地球に向けて近づいていることが判明。それは同時に地球滅亡の知らせでもあったが、それを聞いたジャスティンの心はなぜか軽やかになっていく。主人公ジャスティン役のキルステン・ダンストが2011年・第62回カンヌ国際映画祭で女優賞を受賞した。

 

美しき世界の終焉

一番はじめに序章として色んなシーンのスロー映像が流れるんですが、これが何とも印象的。
ウェディングドレス姿で歩くキルスティン・ダンストの足下に、蔓だかヘドロだか分からんものがからみついていたり、
子どもを抱えたシャルロット・ゲンズブールがゴルフ場(?)を必死に歩くもなぜか足がズボスボはまっていったり、
キルスティン・ダンストの指先から、フォース的な何かが出ていたり、
文章にすると何だそれってかんじの、謎のスロー映像の数々。
訳がわかりませんが、ともかく印象的。

その後は二部構成になってまして、一章:ジャスティン、二章:クレアと題がつけられています。
一章はまるまる妹ジャスティン(キルスティン・ダンスト)の結婚式のシーンで、大半が彼女の視点。
ただひたすらに楽しそうな結婚式の様子が流れるだけで、
「え?さっきの序章の映像は!?世界の終わりは!?」と、
その内に自分が一体何を観ているのか、よくわからなくなってきます。
そして押し寄せる眠気(←それは自分のせい)。
ジャスティンの様子からは、彼女が問題を抱えている(=うつ病)ことが分かります。

二章に入って、今度は姉クレア(シャルロット・ゲンズブール)目線の物語が展開されますが、ここでやっとこさ世界の終わりの話が出てきます。
惑星メランコリアが地球に接近し、望遠鏡でその様子を見ようと楽しそうな夫(キーファー・サザーランド)に対して、地球にぶつかりやしないか心配なクレア。
一章ではしっかり者のお姉さんだったクレアが、不安から取り乱しています。
一方、一章ではあれだけ困ったちゃんだったジャスティンは妙に落ち着き払っていて、何だか不気味。

やがて訪れる「世界の終わり」シーンはとっても美しく必見です。