Smokeblue Theater

映画の備忘録

マイ・プライベート・アイダホ

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題:My Own Private Idaho 1991年 アメリカ 104分
監督・脚本:ガス・ヴァン・サント
出演:リヴァー・フェニックスキアヌ・リーブス、ジェームズ・ルッソ、ウィリアム・リチャート、

ロドニー・ハーベイ、マイケル・パーカー、フリー、キアラ・カゼッリ、ジェームズ・カビーゼル

ストーリー・概要(映画.comより)

リヴァー・フェニックスキアヌ・リーブスの共演で話題を呼んだ青春ロードムービー

路上に立ち、男性に体を売って暮らしている青年マイク。緊張すると突然 意識を失ってしまう奇病を持つ彼は、自分を捨てた行方不明の母親を捜すため、市長の息子で、同じく男娼のスコットとともに故郷アイダホへと向かう。

同性愛、近親相姦、ドラッグといったショッキングな内容を、詩的な映像を駆使して描いたガス・ヴァン・サント監督初期の傑作。

 

故・リヴァー・フェニックスの名演!

リヴァー・フェニックスが奇病を抱えつつ男娼として生きる青年を演じていますが、
その存在感が素晴らしく良かった。
彼に「流れ者役」というか孤独に世をさまよう役が似合うと思うのは、その生い立ちや最期を知っているからかもしれない。
貧しい家庭に生まれ路上パフォーマンスで生活費を稼いでいたという、リヴァーの幼少期。
映画を観ていると、何となくそんなことが浮かんできて、主人公の姿に重なるのです。

ナルコレプシーという厄介な病気ゆえ、完全に一人きりでは生きていけない主人公マイク。
突然眠ってしまう(気絶というか)彼を安全な場所に運んでくれたり、色々とケアしてくれる友人のスコット(キアヌ・リーヴス)。
しっかりしているし、リーダー的素質を持つ美青年で、マイクにも親切。
とはいえスコットはやはり金持ちのボンボン。
男娼としてマイクと同じように生きていても、彼には帰る場所があり、その精神的余裕が感じられます。
そしてやはり最終的に、「金持ち道」を歩むことになるのです。

そりゃそう… そりゃあ、そうでしょうが……、
せ・つ・な・い!!

マイクにとっては親友であり、片思い(マイクは同性愛者なのです)の相手の裏切り。
でも現実的には当然のことなのかも。
もちろんマイクはスコットを殴ったり、男娼やってたことを婚約者の前でバラしたりしません。
ただその場を去るのです。
うう… せ・つ・な・い!!

その後のマイクはもう、見てるのが辛かったです。
「切な苦しい」映画でしたよ。
でもリヴァーとキアヌ、両名とも本当に素晴らしい演技だったので、切な苦しさに胸を打たれつつ観た価値アリ!でした。