Smokeblue Theater

映画の備忘録

おとなのけんか

f:id:smokeblue:20150806230218j:plain

原題:Carnage 2011年 フランス・ドイツ・ポーランド 79分

監督:ロマン・ポランスキー 脚本:ヤスミナ・レザ、ロマン・ポランスキー 

出演:ケイト・ウィンスレットジョディ・フォスタークリストフ・ヴァルツジョン・C・ライリー

ストーリー・概要(映画.comより)

トニー賞演劇部門の作品賞やローレンス・オリビエ賞の新作コメディ賞を受賞したヤスミナ・レザの舞台劇「大人はかく戦えり」を、「戦場のピアニスト」「ゴーストライター」のロマン・ポランスキー監督が映画化。子ども同士のケンカを解決するため2組の夫婦が顔をあわせ、話し合いを始める。最初は理性的に進めら れていた話し合いも、時間がたつにつれ各々の本性がむきだしになり、やがてそれぞれの夫婦間にも不協和音が生じていく。登場人物は4人のみで、室内でリアルタイムに進行する会話劇。ジョディ・フォスタージョン・C・ライリーケイト・ウィンスレットクリストフ・ヴァルツが2組の夫婦を演じる。

「話し合いで解決しましょう」は危険!

いや~、笑えました。最高!

何度も、思いましたよ。「ああ、そこでお暇しときゃいいものを…!」と。
そもそも最初の方から、帰りそうな雰囲気だったのに。玄関まで行ってたのに。
「とりあえずお茶でも」とか、大人ぶるから~!!
大人ぶろうとすればするほど、冷静になろうとすればするほど、話がこじれていくのが面白かったですねー。

皆一歩も引けを取らない、4人の演技は素晴らしかった。
ジョディ・フォスターの演じた奥さんのキャラクターとか、よかったなー。
「私が一番マトモ」と平静を装いつつも、一番ヒステリックに乱れていくという「あ、いるなこういう人」という感じ。
ジョディ・フォスターに関しては、イラつき顔が様になりすぎてて、
ジョディよ、本当に怒ってんじゃないの?ケイト・ウィンスレットに対して…
と心配になりました。
クリストフ・ヴァルツもいいですねー。
話し合いが白熱してきても、コーヒーや酒をすすめられたらちゃっかり「いる」と主張したり(そのたびにケイトがうんざり顔)自分の妻が相手夫婦に食って掛かるのを、ちょっと楽しそうにニヤついて見てたり。マイペースなキャラクターが炸裂してました。
「早く帰りてー」と思いつつも、4人の中で唯一修羅場を楽しんでるように見えましたよ。
最初は勿論「加害者夫婦」VS「被害者夫婦」の構図なんですが、時として「女」VS「男」だったり、「こっちの奥さんとあっちのご主人」VS「こっちのご主人とあっちの奥さん」(←字面にすると訳分からんな)になったり、最終的にケンカの原因って何だっけ?という状態に。カオスです、もう。
しかもまー、お酒を飲んじゃった時点でマトモな話し合いなんて望めませんよね。
出口の見えない話し合いの末、エンドロールには事の発端である子供たちが仲良く遊ぶ映像…。
シニカルで良かったです。