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Smokeblue Theater

映画の備忘録

美しい絵の崩壊

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原題:Two Mothers 2013年 オーストラリア・フランス 111分

監督:アンヌ・フォンテーヌ 脚本:アンヌ・フォンテーヌ、クリストファー・ハンプトン

出演:ナオミ・ワッツロビン・ライト、ゼイビア・サミュエル、ジェームズ・フレッシュビル、ベン・メンデルスゾーン、ソフィー・ロウ、ジェシカ・トベイ

ストーリー・概要(映画.comより)

親子ほど年の離れた若い男から愛される女性の戸惑いや苦悩、それによって崩壊していく2組の家族の行く末を、ナオミ・ワッツロビン・ライト主演で描いたドラマ。

子どもの頃から親友として育ったロズとリルは、お互いの10代の息子たちも交え、家族ぐるみの付き合いを続けていた。しかし、ある夏の日、ロズに思いを寄せていたリルの息子が、その思いを告白する。息子同様に接してきた青年から受ける愛にロズは純粋な気持ちを思い出し、次第に2人は真剣に愛し合うようになるが、ささいなことをきっかけに事態は思いもよらない方向へと進んでいく。

イギリスのノーベル文学賞作家ドリス・レッシングの小説「グランド・マザーズ」を、「ココ・アヴァン・シャネル」のフランス人女性監督アンヌ・フォンテーヌが映画化した。

 

崩壊……ならず?

親友同士の母親たちが、お互いの息子と恋におちるという何だかとんでもない話でした。

ナオミ・ワッツロビン・ライトもお美しいからあんまり気にならないけど、よくよく考えてみるとおぞましい設定ですよ。

それを、ちっとも大したことじゃなさそうにサラサラ〜と描いています。

 

最初にロズ(ロビン・ライト)がリル(ナオミ・ワッツ)の息子と関係を持ってしまい、それがすぐに露見。その時はさすがに軽い修羅場になるのですが、後々リルの方もロズの息子と関係してしまいおあいこ状態に。

そこから先が凄かった。

すべての事情を飲み込んだ上で、なんと関係を続行

4人で楽しく過ごす方向を選んだよ!

いや確かに誰も損しないけど!

 

開き直った4人はビーチで遊んだり食事したりと毎日楽しそう。

海辺でハシャぐ息子たちを見て、「あたし達、いい男産んだわよね。グッジョブ!」みたいな発言をするロズとリルにはどん引きましたが。

 

結局、「崩壊」と言いつつ崩壊せずに終わった4人の関係。

美しい絵」が既存の家族の形を意味するのならば、バッキバキに崩壊してますけどね。

 

 

 

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シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア

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原題:What We Do in the Shadows 2014年 ニュージーランド 85分

監督:タイカ・ワイティティ 脚本:タイカ・ワイティティ、ジェマイン・クレメント

出演:タイカ・ワイティティ、ジェマイン・クレメント、ジョナサン・ブロー、ユリ・ゴンザレス=マクエル、スチュー・ラザフォード、ジャッキー・バン・ビーク

ストーリー・概要(映画.comより)

現代社会で共同生活を送るヴァンパイアたちの楽しい日常を、俳優たちの即興演技とモキュメンタリー形式を取り入れて描き、トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門やシッチェス映画祭などで観客賞を受賞したニュージーランド製ホラーコメディ。映画「ホビット」とのコラボで話題を集めたニュージーランド航空の「壮大すぎる機内安全ビデオ」で監督・出演を務めたタイカ・ワイティティと「メン・イン・ブラック3」などに出演したジェマイン・クレメントが共同監督。主人公のヴァンパイア役で出演もしている。

ニュージーランドの首都ウェリントンで一緒に暮らすヴァンパイアのヴィアゴ、ディーコン、ヴラド、ピーターは、毎晩のように歌い踊ったり行きつけのパブで遊んだりと楽しい毎日を過ごしていた。ある日、ピーターが人間の大学生ニックにうっかり噛みついてヴァンパイアに変えてしまう。しかもニックが人間の親友スチューをシェアハウスに連れてきたことから、大騒動が巻き起こる。

 

おいでよ!愉快なヴァンパイア・ハウス

ヴィアゴは愉快なヴァンパイア(379歳)!

ヴラドは変態ヴァンパイア(862歳)!

ディーコンはチョイ悪ヴァンパイア(183歳)!

ピーターはめっちゃヴァンパイア(8000歳)!

 

という予告編の明るい自己紹介に心をつかまれました。

愉快なヴァンパイア・ヴィアゴ役のタイカ・ワイティティが、監督と脚本も務めているのだそうですよ。

4人のヴァンパイアが共同生活する屋敷に取材のカメラが入るといった、いわゆるモキュメンタリー仕様。

ヴァンパイアたちの普段の生活を愉快に紹介しているのですが、常に夜なのと手持ちカメラのせいで、何だか絵面だけはやたら怖い。特にピーターが映ってるシーンなんか超ホラー映画ですけど…

絵面と中身のおバカさにギャップがありすぎて、そこが面白いです。

 

ヴァンパイアが鏡に映らないことや狼男と仲が悪いことなど、吸血鬼ネタを上手く利用して随所に笑いを散りばめているかんじ。

仮面舞踏会(仮装大会?)風のイベントで、ブレイドの格好をしたりと小ネタもたくさん。

 

個性的なヴァンパイア達のキャラクターも良いのですが、その中で逆に普通すぎて目立っている人間のスチューが気になりました。この人、本人と役名が一緒なのでたぶん監督の身内か知り合いか何かだと思うんですが…。

普通のことしか言わない普通〜〜の人間が、ヴァンパイア達にめちゃめちゃ愛されてるのが笑えました。

 

あと何といってもピーターですよ。てか、8000歳って(8000年前=縄文時代早期)。

たぶん、何の裏設定も考えられていないのでしょうが、ピーターがなぜヴァンパイアになったのかが死ぬほど気になります。他のメンバーにはちょっとだけ過去に触れるシーンがあったのに、ピーターは皆無だったもんなあ。

 

この監督のユーモアのセンス、かなり好きです。次回作に期待大〜!! 

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メイジーの瞳

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原題:What Maisie Knew 2012年 アメリカ 99分

監督:スコット・マクギー、デヴィッド・シーゲル

脚本:ナンシー・ドイン、キャロル・カートライト

出演:ジュリアン・ムーアアレクサンダー・スカルスガルド、オナタ・アプリール、ジョアンナ・バンダーハム、スティーヴ・クーガン

ストーリー・概要(映画.comより)

「綴り字のシーズン」のスコット・マクギー&デビッド・シーゲル監督が、離婚する両親に翻弄される少女の日常を描いたヒューマンドラマ。ロック歌手の母と美術商の父の間に生まれた少女メイジー。日頃から喧嘩してばかりの両親はついに離婚を決め、メイジーはそれぞれの家を行ったり来たりすることに。ところが、忙しい父はベビーシッターのマーゴに、母は新恋人リンカーンにメイジーを預けるようになり……。原作は「ある貴婦人の肖像」「鳩の翼」などで知られるヘンリー・ジェームズの小説。2012年・第25東京国際映画祭コンペティション部門では、「メイジーの知ったこと」のタイトルで上映された。

 

言い訳のような「愛してる」

主人公は6歳の女の子メイジー。

両親が離婚でモメていて、10日ごとにそれぞれの家を行ったり来たりするせわしない生活を送っています。

ほぼずっとメイジー目線で展開するため、「子どもから見た世界」が味わえると共に、

あらゆる場面で「子どもの気持ち」にも気づかされます。

まず全体的に目線がグッと低く、大人たちがしゃがんでくれなければその表情がよく見えません。

これが、なんとも不安なかんじ。

 

メイジーの両親はどちらもそこそこ裕福だしお家も快適そうなんですが、親の仕事の都合や連絡不行き届きのため、ちょいちょいドア前で待ちぼうけをくらうのが可哀想でした。

 メイジー目線になってみてとにかくツラいのは、”待ち”の長さ

裁判所に行っては母親を待ち、幼稚園(小学校?)で迎えを待ち…

何度も何度も、退屈な”待ち時間”を強いられるメイジー。

子どもには苦痛だろうと思います。

大人の私だって、じっと待つのは苦手です!!大っ嫌いです!(ていうか待てません。帰ります)

 

大人同士の口ゲンカで朝の目覚めを迎えるのも最悪〜〜。

待ち時間の長さ」と「口ゲンカの騒音」がどれだけメイジーのストレスになっているか!

両親コノヤロー!

 

一見大人しく表情が乏しいように見えるメイジーですが、実はそうでもなく、よく笑う普通の子だとわかります。嬉しそうに親に駆け寄ったり、はしゃいだりすることも。

しかしあのようにしょっちゅう色んな大人に預けられれば緊張で表情は固まるし、片親から相手方の様子を尋ねられたり愚痴を聞かせられれば、何と言っていいかわからず俯いてしまうのは当たり前だと思います。

メイジーは親を困らせないよう一所懸命考えて言葉を選んでいるだろうに、

あなたの考えていることがわからない」なんて言われちゃうんですよ!やってらんないよね全く!

さんざ愚痴ったあげくに「これはあなたのため」で締めくくるのも自分勝手でひどい。

 

父親も母親もしきりに「愛してる」を連呼しますが、それって「愛してるんだから、許せよ」という言い訳にしか聞こえません。

大人ってずるいよね。

 

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