ペネロピ
原題:Penelope 2006年 イギリス 106分
監督:マーク・パランスキー 脚本:レスリー・ケイブニー
出演:クリスティーナ・リッチ、ジェームズ・マカヴォイ、リース・ウィザースプーン、キャサリン・オハラ、ピーター・ディンクレイジ、
リチャード・E・グラント、サイモン・ウッズ
ストーリー・概要
クリスティーナ・リッチが豚鼻の少女に扮する奇想天外なロマンティック・コメディ。名家のお嬢様ペネロピは、先祖が魔女にかけられた呪いのせいで、生まれた時から豚のような鼻を持っている。彼女は自分の顔を見ても逃げなかった唯一の青年マックスに恋をするが、実は彼の正体はペネロピを狙う新聞記者が送り込 んだスパイだった……。共演は「ラストキング・オブ・スコットランド」のジェームズ・マカヴォイ、リース・ウィザースプーンほか。
ネコ耳がブームになったんだから、ブタ鼻だって…
生まれつき、ブタ鼻を持ったヒロイン…って、なんだかホラーの匂いがしますが違います。
まったく真逆の雰囲気。かわいらし〜い作品でした。
クリスティーナ・リッチのブタ鼻も、不気味どころかキュート。
ブタ鼻を見てしまった男達が、驚きのあまり窓ガラスを突き破って飛び降りるという定番シーンみたいのがちょいちょいありましたが。
正直そんなに驚く程の鼻ではない!
オーバーリアクションなのでした。
クリスティーナ・リッチは、今までの出演映画至上最高にかわいかったと思います。
太ったり痩せたりを繰り返しているイメージでしたが、今回はちょうどいい体つきというか…。ちょっと現実感のないファッションも似合っていて可愛かったです。
そんな純真なペネロピの相手役として、少しやさぐれた風貌のジェームズ・マカヴォイが良い味出していました。元々ワル顔だから行き過ぎると怖いのですが、この人。
まるでオダギリジョーみたいな孤独なやさぐれ男が絶妙に格好良く、
クリスティーナ・リッチ共々、「よく仕上げてきた!よくやった!」と言いたくなる仕上がり具合でした。(←あなたは監督ですか)
決して王子様頼みではなく、自分で人生を切り開いていこうとするペネロピの強さにも好感が持てました。
あなたになら言える秘密のこと
原題:La Vida Secreta De Las Palabras 2005年 スペイン 114分
監督・脚本:イザベル・コイシェ
出演:サラ・ポーリー、ティム・ロビンス、ジュリー・クリスティ、レオノール・ワトリング、エディ・マーサン
ストーリー・概要(映画.comより)
「死ぬまでにしたい10のこと」のイザベル・コイシェ監督が再び主演にサラ・ポーリーを迎え、1人の女性の苦悩と再生を描いた人間ドラマ。海の上に浮かぶ油田掘削所を舞台に、過去の辛い思い出により口を閉ざしているハンナと事故で負傷したジョセフとの交流と、それぞれの哀しい過去が語られる。共演にティム・ロビンス、ジュリー・クリスティ、レオノール・ワトリング。05年ゴヤ賞の作品賞・監督賞を受賞。
「秘密」の交換
サラ・ポーリーが好きです。役者としても、監督としても好きだし、やっぱキレイ。
ビッカビカに輝いているというわけではなく、少しぼんやりした表情が美しいと思います。
イザベル・コイシェ監督とサラ・ポーリーのタッグと聞き『死ぬまでにしたい10のこと』の続編なのかな〜と思ってましたが、全然違うお話でした。
タイトル通り、サラはある「秘密」を抱えた女性ハンナを演じています。
冒頭、工場の仕事に取りかかるシーンで、ハンナだけ防音用の耳あてをスルーすることから、彼女は耳が不自由であることがわかります。
毎日同じメニューの食事をし、同僚とも打ち解けず、ただ淡々と家と職場の往復を繰り返すハンナは、上司から半ば強引に休暇を取るように言われ旅に出ます。
その道中、偶然出会った人との縁で、油田掘削所で看護師として働くことに。
…って全然休暇になってませんけど!休む気ないんかい!
そこでティム・ロビンス演じる怪我人ジョセフの世話をすることになるのですが、目が見えず色々質問してくるジョセフに、のっけから人嫌いっぷりを発揮するハンナ。
余計な質問は無視、あまりにウザいと補聴器のスイッチをオフ。
そこまでツンケンしなくても…と思うのですが、後に彼女の身に起こったことを聞けばすべて納得なのです。
ジョセフが自分の秘密を話したことから、ハンナはしだいに彼に心を開いていきます。
そして彼女もついに「秘密」を語り出します。
相手の秘密を知ったお返しに…ということではなく、ハンナ自身、それを吐き出してしまいたいという気持ちがどこかにあったのかもしれないですね。
映像による回想シーンではなく、すべて彼女自身の言葉で静かに語られる「秘密」。
語りだけなのに、心を突き刺すような説得力でした。
暗いし重たいんだけど、心が浄化されるような魅力を持った作品です。
海の上の油田掘削所という非日常的なシチュエーションも効いてます。
クロエ
原題:Chloe 2009年 カナダ・フランス・アメリカ 96分
監督:アトム・エゴヤン 脚本:エリン・クレシダ・ウィルソン
出演:ジュリアン・ムーア、リーアム・ニーソン、アマンダ・セイフライド、マックス・シエリオット
ストーリー・概要(映画.comより)
大学教授の夫と息子の3人で幸せな人生を歩んできたキャサリンだったが、ある日、夫の携帯電話に教え子との浮気を思わせるメールを見つけてしまう。疑心暗鬼にかられたキャサリンは、偶然知り合った若く美しい娼婦のクロエに夫を誘惑させ、夫がどんな行動を取るかを報告させようとするが……。「スウィート ヒアアフター」のアトム・エゴヤン監督が、ジュリアン・ムーア、リーアム・ニーソン、アマンダ・セイフライドを起用して描く愛憎と官能のサスペンス。
小悪魔に翻弄されるマダム
若くて綺麗な娼婦を雇って夫を誘惑させるなんて、自分もダメージを受けかねん行動にちょっとびっくり。
いや、若い子を選んでいる=自分の老いを自覚せざるを得ないってことになるんだから、既にダメージくらってます。
大ダメージですよ!
何ていうかもう、刺し違える覚悟。とことん自虐的。
パートナーの携帯チェック(?)もそうなんですが。
その玉砕覚悟の行為に、何のメリットがあるんだ?といつも思ってしまいます。
そんなことしても、幸せにはなれんぞ!!
アマンダ・セイフライド演じるクロエは抜群に美しかったです。輝いてました。
常にキャサリン(ジュリアン・ムーア)と対比させられているせいか、他の出演作よりも何割増かで美人に見える気が。
ジュリアン・ムーアさんすみません。あなたは勿論お美しいしファンだし大好きなんですっ…!(苦しいフォロー)
あとクロエのファッションが凄く素敵で似合っていました。
淡いピンクとかふわっとした色合いが多めな小悪魔ファッションでありながら、
品があって、あくまでもサスペンス感を乱さない服装。
あのコートとか、特に可愛かったです。
序盤から鏡やガラスを用いたシーンが多数登場し、
それがクロエの妖艶さ、キャサリンの心許なさをより強調していたと思います。
ミステリアスな雰囲気にグイグイ引き込まれる作品でした。けっこう好き。